タガログ語とビサヤ/セブアノ語にはmang-という動詞化する接辞があります。この接辞を持つ動詞は比較的に出現の頻度は高いのですが、今一役割がわかりにくい、動詞も変化が多くてわかりにくい、と感じていらっしゃる方もいるのではないか?と思います。
そこで今回は、ビサヤ/セブアノ語のmang-動詞に焦点をあてて役割、動詞の変化 について紹介したいと思います。
なおいつもとおり、英語との比較だけでなくタガログ語との比較とあわせて説明してゆきます。是非最後まで読んでいただけるとうれしいです。
Mang- 動詞 概要
Mang-の接辞を持つ動詞の概要を紹介します
役割 通常の機能行動、習慣的、専門的な行為、複数の対象への行為、一つの対象への集中反復、破壊的、一時的行為など
焦点 行為者焦点動詞です
活用
過去/現在 Nang-
未来 Mang-
命令 Pang-
例 語根 isda/魚 nangisda mangisda pangisda
Mang-動詞の機能
通常の機能行動
行為者が通常する機能としての行動をさします
例 語根 itlog/卵 nangitlog mangitlog pangitlog
行為者は、卵を産む鶏。 鶏の通常の機能行動は、卵を産むことなので、mangitlogは卵を産むという動詞になります。
例 語根 anak/卵 nanganak manganak panganak
行為者は、子供を産む女性。 女性の通常の機能は、子供を産むことなので、manganakは子供を産むという動詞になります。
反復行動または定期的な行動
繰り返し、定期的な行動をさします。
例 語根 hugas/皿を洗う nanghugas manghugas panghugas
毎日の食事でお皿を洗うのは、反復、定期的な行動であることからmang-接辞を付けます。
有害な行為または破壊的な行為
例 語根 sigarilyo/タバコ nanigarilyo manigarilyo panigarilyo
タバコを吸うのは有害な行為なのでmang-接辞を付けます
例 語根 sigarilyo/タバコ nanigarilyo manigarilyo panigarilyo
タバコを吸うのは有害な行為なのでmang-接辞を付けます
専門、職業的な行為
例 語根 baligya/売る namaligya mamaligya pamaligya
職業として物を売る行為なのでmang-接辞を付けます
グループ(複数)による行為
例 語根 kanta/みんなで歌う nanganta manganta panganta
この動詞を使うときは、行為者は常にグループで複数の人数になります
mang- 接辞だけで使われる動詞
これらの動詞は必ずmang-接辞を伴い、他の接辞で使われることがありません
例 語根 kutana/question/質問 mangutana
語根 kayo/request/依頼 mangayo
語根 kadye/pray/お祈りする mangadye
mang – + 語根 の活用方法のルール
語根が”K”で始まる場合、Kが脱落する
例 mang- + kahoy/wood/木 –> mangahoy
語根が”D” ”T” ”S”で始まる場合、これらが脱落し、mang-のgも脱落する
例 mang- + dakop/arrest/逮捕する –> manakop
語根が”B” ”P” で始まる場合、これらが脱落し、mang-がmに変わる
例 mang- + palit/buy/買う –> mamalit
mang- 動詞の文例
文例 1
Ayaw’g pamaligya niining mga kamatis./Don’t sell these tomatos./これらのトマトを売るな
文例 2
Dili kita manglaba karon kay nag-ulan./We will not wash clothes today because it is raining./雨が降っているので、洗濯はしないでしょう
文例 3
Dili manuo ang among pamilya mahitungod sa libro./Our family will not believw that book./私達の家族はその本(に書いてあったこと)を信じないでしょう。
まとめ
ビサヤ/セブアノ語のmang- 接辞の動詞について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 実際の会話をする上で重要なのは、mang- 接辞のみ取る動詞があるということですね。mangutana、mangayo、mangadyeは是非覚えておきたい単語です。他の単語は、覚えるというより、複雑な単語が出てきたとき、活用のルールから語根を推定して意味を理解するのに役立てればよいのではないかと思います
さて今回は、ここまでです。他にもまで接辞がありますので追って紹介してゆきます。今回は、最後までご覧いただきありがとうございました。